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連合調べ AIが導入されたら現在のスキル・知識で対応できる?「できると思う」3割強、「できないと思う」7割弱

配信元:@Press  配信日:2018年02月21日 14:45:00
第4次産業革命に代表されるAI(人工知能)等情報通信技術の進展により、定型労働に加えて非定型労働においても省人化が進展することが予測されます。これは、人手不足の解消につながる反面、バックオフィス業務等、雇用のボリュームゾーンである従来型のホワイトカラーの仕事が大きく減少していく可能性も高いと言われています。

[調査概要]
そこで、労働者がAIについてどのようなイメージを持っているのか、また、AIが職場環境、働き方、労働条件へどのような影響を及ぼすと考えているのかを把握するため、日本労働組合総連合会(略称:連合、所在地:東京都千代田区、会長:神津 里季生)は、2017年12月15日~12月19日の5日間、「AI(人工知能)が職場にもたらす影響に関する調査」を、インターネットリサーチにより実施し、全国の20歳以上の働く男女1,000名の有効サンプルを集計しました。(調査協力機関:ネットエイジア株式会社)

[調査結果]
≪AIの認知とイメージ≫
◆“AI”の認知率は約9割
◆AIのイメージ 1位「記憶力や情報量が多い」2位「ミスが少なく正確」3位「複数の事象を把握・対応できる」
「臨機応変な対応ができる」「創造性がある」とイメージした人は4割未満

はじめに、全国の20歳以上の働く男女1,000名(全回答者)に、“AI”とはどのようなものか知っているか聞いたところ、「意味をよく知っている」は31.5%、「言葉自体は聞いたことがある」は57.8%となり、それらを合わせた認知率は89.3%で、「まったく知らない」は10.7%でした。AIが9割近くの人に認知されていることがわかりました。
男女別にみると、男性では「意味をよく知っている」が40.8%とAIという言葉の意味を理解している人が4割だったのに対し、女性では「意味をよく知っている」は19.6%と2割にとどまりました。

次に、全回答者(1,000名)に、“AI”と聞いて、どのようなイメージを持つか聞いたところ、「あてはまる」(「あてはまる」「ややあてはまる」の合計)が最も多かったのは「記憶力や情報量が多い」で76.8%、「ミスが少なく正確な判断ができる」が67.5%、「複数の事象を把握・対応ができる」が64.2%、「経験にもとづいた対応ができる」が61.4%で続きました。記憶力や正確性、マルチタスク能力などに優れているとイメージしている人が多いことがわかりました。
他方、「相手の意図を汲み取り、臨機応変な対応ができる」は38.8%、「抽象的な概念から具体的な物体を作るなど創造性がある」は34.3%となりました。臨機応変な対応や創造性の能力については他の内容に比べて優れているとイメージしている人が少ないようです。
年代別にみると、ほとんどのイメージにおいて、20代から60代以上へ年代が上がるにつれて「あてはまる」が高くなりました。
業種別にみると、「ミスが少なく正確な判断ができる」や「複数の事象を把握・対応ができる」とのイメージを持っている人の割合が最も高かったのは金融・保険業で、それぞれ約8割(「ミスが少なく正確な判断ができる」82.3%、「複数の事象を把握・対応ができる」79.4%)でした。

≪AIの普及に関する意識≫
◆AIの普及に「期待している」5割半 期待率が最も高いのは金融・保険業
◆AI導入で「自分の仕事が変わる」と3人に2人が予想

今後、様々な業種において、AIの活用が進められていくと考えられますが、AIの普及は、どのように評価されているのでしょうか。

全回答者(1,000名)に、今後、AIが普及することについて、期待しているか、不安であるかを聞いたところ、「期待している」(「大いに期待している」「やや期待している」の合計)は54.5%、「不安である」(「かなり不安である」と「やや不安である」の合計)は12.7%となり、半数以上の人がAIの普及に期待感を持っていることがわかりました。
業種別にみると、「期待している」が最も高かったのは金融・保険業で70.6%となり、製造業(64.7%)や公務等(62.3%)、教育・学習支援業(62.0%)でも6割を超え、AIの普及に期待している人が多いことがわかりました。

次に、全回答者(1,000名)に、今後、自分の職場でAIの導入・活用が進んだ場合、自分の仕事が変わっていくと思うかを聞いたところ、「変わる」(「かなり変わる」「やや変わる」の合計)が65.6%、「変わらない」(「まったく変わらない」「あまり変わらない」の合計)が34.4%で、AIによって自分の仕事が変わると考えている人が3人に2人の割合となりました。
業種別にみると、「変わる」と予想した人は、情報通信業(74.6%)、医療・福祉(73.8%)、製造業(73.5%)、飲食店・宿泊業(73.5%)、公務等(71.2%)では7割を超え、金融・保険業(67.7%)や運輸業(68.3%)は7割近くになりました。他方、「変わらない」と予想した人の割合が他業種と比べて高かったのは、不動産業(47.1%)と卸売・小売業(47.0%)でした。

また、AI認知状況別にみると、AIの意味をよく知っている人では77.4%が「変わる」と予想した一方、AIをまったく知らない人では70.1%が「変わらない」と予想していることから、AIの認知状況の違いによってAIによる仕事の変化に対する予想が異なることがわかりました。

◆AIの導入で仕事は楽になる?それとも負担が増える? 4割半ばが「仕事が楽になる」と予想

職場でAIの導入・活用が進んだ場合、自身の仕事に変化が生じると予想する人が多いことがわかりました。それでは、AIの導入・活用が進んだ場合、どのような変化が生じると考えられているのでしょうか。

全回答者(1,000名)に、今後、自分の職場でAIの導入・活用が進んだ場合、仕事における自分の身体的・精神的等の負担がどうなると思うかを聞いたところ、「楽になる」(「かなり楽になる」「やや楽になる」の合計)が43.5%、「変わらない」が49.5%、「負担が増える」(「かなり負担が増える」「やや負担が増える」の合計)が7.0%となりました。AIの導入によって自身の負担は変わらないと考える人が約半数みられましたが、自身の負担が減ると予想する人も半数近くいることがわかりました。
業種別にみると、「楽になる」と予想した人は、情報通信業(54.0%)と飲食店・宿泊業(50.0%)では5割以上となりました。

AI認知状況別にみると、AIの意味をよく知っている人では56.5%が「楽になる」と予想している一方、AIをまったく知らない人では21.5%が「負担が増える」と予想しています。AIの認知状況の違いによって、仕事における負担に対する予想も異なることがわかりました。

また、全回答者(1,000名)に、今後、自分の職場でAIの導入・活用が進んだ場合、自分の仕事のやり方や難易度がどうなると思うかを聞いたところ、「難しくなる」(「かなり難しくなる」「やや難しくなる」の合計)は23.3%、「変わらない」は60.7%、「簡単になる」(「かなり簡単になる」「やや簡単になる」の合計)は16.0%となりました。自身の仕事のやり方や難易度は変わらないと予想する人が多数派でしたが、難しくなるか、簡単になるかでは、難しくなると予想する人のほうが多い結果となりました。
業種別にみると、「難しくなる」は、公務等(37.7%)、建設業(35.3%)で他の業種より高くなりました。他方、情報通信業(「難しくなる」11.1%、「簡単になる」20.7%)と運輸業(「難しくなる」17.1%、「簡単になる」21.9%)では、簡単になると予想した人の割合のほうが高くなりました。

◆AIの導入で労働時間はどう変わる? 2割半ばが「減る」と予想
減少予想は「運輸」「金融・保険」で高く、AI導入で長時間労働の緩和に期待
◆AI導入によって職場で働く人数に変化? 公務等、金融・保険業では半数以上が「減る」と予想
◆AIの導入で賃金は増える?それとも減る? 6割半ばが「変わらない」と回答、2割半ばが「減る」と予想

続いて、労働時間や職場の人数、賃金といった、労働条件・職場環境の変化についても聞きました。

全回答者(1,000名)に、今後、自分の職場でAIの導入・活用が進んだ場合、自分の労働時間がどうなると思うかを聞いたところ、「増える」(「かなり増える」「やや増える」の合計)が11.2%、「変わらない」が62.3%、「減る」(「かなり減る」「やや減る」の合計)が26.5%となりました。職場にAIが導入されても、自身の労働時間に変化はないと考える人が6割以上でした。
業種別にみると、すべての業種において「増える」と予想した人より「減る」と予想した人が多くなりましたが、運輸業(36.6%)と金融・保険業(32.4%)では、3人に1人の割合となりました。長時間労働の緩和に向け、AIの導入を期待している人が他の業種より多いのかもしれません。

また、全回答者(1,000名)に、今後、自分の職場でAIの導入・活用が進んだ場合、職場で働く人数はどうなると思うかを聞いたところ、「増える」(「かなり増える」「やや増える」の合計)が7.8%、「変わらない」が53.2%、「減る」(「かなり減る」「やや減る」の合計)が39.0%、となりました。職場にAIが導入されても職場で働く人数に変化はないと考える人が半数以上いることがわかりましたが、人数が減ると考えている人も4割近くいることがわかりました。
業種別にみると、「減る」が高くなったのは「公務等」(60.0%)と「金融・保険業」(52.9%)で、どちらも「減る」と予想した人が多数派となりました。

そして、全回答者(1,000名)に、今後、自分の職場でAIの導入・活用が進んだ場合、自分の賃金はどうなると思うか聞いたところ、「増える」(「かなり増える」「やや増える」の合計)が9.5%、「変わらない」が66.7%、「減る」(「かなり減る」「やや減る」の合計)が23.8%と、賃金に変化はないという人が多数派となりました。
業種別にみると、「減る」と予想した人の割合が他の業種に比べて高くなったのは、「建設業」(33.3%)と「教育・学習支援業」(31.0%)で、どちらも3割以上でした。
職務別にみると、管理的業務のみ「増える」(20.7%)が「減る」(19.6%)を上回り、それ以外の職務はすべて「増える」が「減る」を下回っていました。

◆AI導入による影響はまだ先? 「自分が働いている間は、AIによる仕事への影響はない」と考える人が5割近く
◆AIの活用で「勤務先が維持・成長・発展する」と考える人は約6割

全回答者(1,000人)に、自分の職場でAIの導入・活用が進み、自分の仕事に影響がでるのはいつ頃からだと思うかを聞いたところ、「自分が働いている間は影響ない」が47.8%で最も多くなりました。近い将来、AIが導入され、自身の仕事に影響が及ぶことはないと考えている人が多いようです。
年代別にみると、「自分が働いている間は影響はない」と考える人の割合は、60代以上が58.9%と最も高くなりましたが、次いで高くなったのは、20代で48.4%でした。若い年代においても影響はないと考えている人が半数近くいることがわかりました。
また、AI認知状況別にみると、「自分が働いている間は影響ない」と考えている人が、AIの意味をよく知っている人で33.3%、AIをまったく知らない人で70.1%と認知状況の違いにかかわらず最も多いことがわかりました。

業種別にみると、金融・保険業では「すでに影響がでている」が14.7%で、他の業種と比べて高くなり、働く人がAI導入の影響を最も感じている業界のようです。

続いて、全回答者(1,000名)に、自分の勤務先が、AIの活用によって、維持・成長できると思うかを聞いたところ、「AIの活用により、さらなる成長・発展が見込める」が25.2%、「業績を維持できるが、成長までは見込めない」が35.6%、「業績の維持も難しく、会社は縮小していくと思う」が11.1%、「AIにより企業の存続が難しくなり、倒産の危機に直面すると思う」が5.7%でした。AIを活用することによって維持・成長・発展が見込めると考えている人は約6割いることがわかりました。
業種別にみると、「AIの活用により、さらなる成長・発展が見込める」と考える人の割合は、運輸業で31.7%、製造業で31.2%、公務等で31.1%となり、これらの業種ではAIを活用することで成長・発展が見込めると前向きに考えている人が少なくないことがわかりました。

≪AIを使った仕事に関する意識≫
◆職場にAIが導入されたら「AIを使って仕事をしたい」4割強
◆AIが導入されたら現在のスキル・知識で対応できる? 「できると思う」3割強 「できないと思う」7割弱
◆AIに関するスキルアップの訓練は「公的な教育機関、専門学校」など企業外で受けたい人が4割、「自分が働く企業の研修施設、業務時間中のOJT」など企業内で受けたい人が3割強

全回答者(1,000名)に、自分の職場でAIの導入・活用が進んだ場合、AIを使って仕事をしたいかどうか聞いたところ、「AIを使って仕事をしたい」(「AIを大いに使って仕事をしたい」と「AIを少しは使って仕事をしたい」の合計)は42.6%、「AIを使わない仕事をしたい」(「AIをあまり使わない仕事をしたい」と「AIをまったく使わない仕事をしたい」の合計)は27.3%となりました。職場においてAIの導入・活用が進んだ場合、AIを使って仕事をしたいという人が多数派となりました。
業種別にみると、「AIを使って仕事をしたい」という人の割合が高かったのは、運輸業(51.2%)、公務等(51.1%)、情報通信業(50.8%)で、半数以上でした。

全回答者(1,000名)に、今後、自分自身がAIに関する知識・スキル等の能力発揮をせまられる場合、現在のスキル・技術で対応できると思うか聞いたところ、「できると思う」は32.7%、「できないと思う」は67.3%でした。AIに関する知識やスキルに自信のない人が多いようです。
また、AI認知状況別にみると、「できないと思う」と回答した人が、AIの意味をよく知っている人で48.9%、AIをまったく知らない人で87.9%と認知状況の違いにかかわらずAIに関する知識やスキルについて自信がないことがわかりました。

そして、全回答者(1,000名)に、AIに関するスキルや技術について、スキルアップのための訓練を受けるならどこで受けたいかを聞いたところ、「国や地方自治体などが設置する公的な教育機関」が27.4%で最多となりました。また、「自分が働く企業が設置する研修施設」は20.7%、「専門学校や職業能力学校」は20.5%、「自分が働く企業での業務時間中のOJT(業務を通した研修)」は19.4%でした。
AIに関するスキルアップの訓練は、国や地方自治体などが設置する公的な教育機関や専門学校などで受けたい人が4割、自分が働く企業の研修施設、業務時間中のOJTなどで受けたい人が3割強と、企業外で訓練を受けたい人が多いことがわかりました。
ニュースリリースURL:https://www.atpress.ne.jp/news/150227

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